概要
インターネットの利用形態は情報の取得/流通が主となっており、ソーシャルネットワーキング、IoT (Internet of Thing)/IoE (Internet of Everything)によりこの傾向はさらに加速される。これにより、2018年には、世界的なIPのトラヒックは年間1.6ゼタバイトに達し、CDNが扱うトラヒックは全体の75%、M2Mによる通信は、全体の接続数の1/3以上に達するといわれている。また、技術面では、SDN, NFVといった仮想化技術の普及、クラウド技術によるネットワーク全体のデータセンター化、さらには5Gと呼ばれる次世代モバイルネットワークの活用が予想されている。このように劇的に成長し革新していく状況下に、情報の流通に主眼を置いて抽象化された情報志向ネットワーキング(ICN/Information Centric Networking)は、まさに合致していると言える。
本プロジェクトでは、以下の4つを主目的とし、ICNの実証に向けた研究開発を行う。
- 現在のICNアーキテクチャーの拡張:クラウドや仮想化技術といったネットワーク技術を最大限に生かし、セキュリティや品質保証など商用コンテンツ配信にも耐えうるように、ICNアーキテクチャーを深化させる。
- いかなる規模においても情報を転送可能な“ICNアプリケーションスイート”の開発:オリンピックや学園祭といった規模を問わず、動画配信や共有といった様々な用途に用いることができるアプリケーション群の開発。
- 欧州、日本、米国をつないだグローバルなテストベッドの構築:既存のICNテストベッドを活用することにより、本プロジェクトで開発したICNアーキテクチャーやICNアプリケーションスイートを実証可能なテストベッドを構築する。
- 成果普及のための標準化